COVID-19のパンデミックは、サプライチェーンに並々ならぬ影響を及ぼしています。世界中で、防護製品や救命製品を提供するためにサプライチェーンに依存しているライフサイエンス企業は、サプライチェーンの複雑さに関係なく、パンデミックの破壊的な影響を経験しています。
このような混乱と、高品質な製品を迅速に提供することの緊急性を考慮すると、メーカーとそのサプライヤーが、サプライチェーンのパートナーに対する混乱の結果を管理するために、互いの関係や義務を再評価することは理にかなっていると言えます。
サプライヤーとの関係における役割や権利、義務の評価は、関連する供給契約を見直し、理解することから始まります。
製造業者と供給業者の間のビジネス・パートナーシップでは、供給契約を使用する必要があります。購入するメーカーにとって、供給契約は、必要な材料や商品を指定された時間に、合意された価格で受け取ることを保証し、問題から会社を保護するのに役立ちます。材料や商品を提供するサプライヤーにとっては、このような契約によって、材料や商品をいつ、どのように顧客に提供すべきかという当て推量を排除することができます。両者にとって、供給契約は計画を容易にします。
供給契約は、明確な期待値を設定する必要があります。企業によって異なるかもしれませんが、ライフサイエンス企業が供給契約書を作成する際に一般的に含まれる主要な契約条項がいくつかあります*1*2。
供給契約は、サプライヤーとの品質契約ではありません。製造業者と供給業者の間の品質契約が、安全な材料の供給を確実にするために、品質及び規制要件に関する特定の品質パラメーター及び責任を正式に概説することを意図しているのに対し、供給契約は製造業者又は材料の供給業者の間のビジネス関係のパラメーター、条件及び諸条件を概説するものです。
米国食品医薬品局(FDA)は供給契約と品質契約を別の文書とすることを推奨しているが、品質契約は供給契約に参照として含まれることがあります。
メーカーとサプライヤーの関係は、常にコミュニケーション、コラボレーション、そして互恵的なパートナーシップの上に築かれるべきものです。そうでなければ、リスクは可能性と結果においてより大きくなってしまいます。サプライヤーのパフォーマンスを阻害する問題がある場合、メーカーとサプライヤーは協力してその問題を迅速に解決する必要がありますので、サプライヤーと協力してその義務を達成するためには、自社の既存の供給契約を理解することから始めましょう。