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製造の3ポイントシュート(費用の低減、能率の向上および製品上市の早期化)を決める


Medical Device Manufacturing Digital Solution

チャレンジ

少し前に、私は、ある医療機器製造業者が困難な課題に取り組むのを支援するため協力していました。この製造業者は異なるシステムを使って業務を行っていました。その結果、エンジニアたちは手作業を余儀なくされ、彼らが不在のときは他の従業員がそうした手作業を試みていましたが、そのためにシステムの故障が誘発されていました。

この製造業者のエンジニアたちは、自身の専門能力が革新的なソリューションを考案するために使われるというよりもむしろ手作業を繰り返し行うのに費やされることにうんざりしていました。エンジニア以外の従業員もまた、別の仕事でより多く貢献したいと切望していましたが、エンジニアと同じく彼らも時間がかかる手作業に困惑していました。すべてが手作業で行われていたために様々なミスが製造プロセスに入り込み、その結果、システムをレビューするのに長い時間を要し、市場への対応が遅れる事態が生じていました。

要するに、この製造業者は、異なるシステムを統合し単一のプラットフォームと同等のものを効果的に構築することによってこれらのシステムを活用することができる、一つの連結された事業システムを求めていたのです。

ソリューション: 2つの製造システム間のギャップを埋めること

この医療機器製造業者は、自身の2つの製造システムの間にあるギャップを埋める方途を見出そうと切望していました。ソリューションには何らかの独創的な問題解決の手立てが必要でしたが、この業者は自身がまさに必要としたものを得たのでした:

  • 2つの重要なシステムが連結され、それがエラーの減少、エラーに関連したコストの回避、およびシステムのレビュー時間の短縮に役立ったこと。
  • 信頼できる唯一の情報源として役立つデータの集中保管庫。これは、この製造業者のデータが完全、安全かつ容易にアクセス可能であることを保障するものです。
  • コンピュータ支援設計(CAD)関連の文書のアップロードが自動化され、エンジニアたちが今や革新的な新製品の開発と売上増大に向けた他の取り組みに従事する時間を持てるようになったこと。

この製造業者は、自らの最大の弱点の一つに対応し2つのシステムをつなぐことを通じて、一方で自身の組織全体に著しい影響を及ぼす成果を達成しながら、上記のメリットを享受できるようになりました。

成 果

異なる複数のシステムを連結することによって、この医療機器製造業者は、コストの回避、コストの低減および能率の向上という3つの主要目標を達成しました。

1. コストの回避

新たなデジタルソリューションを実施する前は、従来行われていた手作業が追加コストの発生に繋がるミスを誘発していました。例えば、この医療機器製造業者はうかつにも、意図せざる変更を含む、適正でない図面をその施設に送っていました。この製造業者は不適正な仕様を用いたために使用不可製品を大量に製造してしまい、その結果、相当の費用をかけて是正措置を講じなければなりませんでした。あるデジタルシステムを実施した後、この製造業者はシステムのレビュー時間を減らし、人によるエラーを無くし、設計変更をうまく織り込むことができるようになりました。これが高くつくエラーを無くすことにつながり、以降、この製造業者は信頼できる唯一の情報源をもつ連結された事業システムをまず稼働させて業務を開始するようになり、上述の困った状況が再発することはなくなりました。

2. コストの低減

上記のソリューションを採用した直後、この医療機器製造業者はエンジニアリング部門の年間運営費用を42,000ドルも節減しました。この業者が成長するにつれて、この節減額は飛躍的に増加することでしょう。新たなソリューションを活用して、この業者はより迅速に製品を製造することができ、他方でより堅固な売上の流れが生み出されます。これらが合わさって、製品の品質が向上し、投資収益率(ROI)が高まり、将来のエラーとコストを劇的に減らす連結されたシステムが確立されました。

3. 満足度と能率の向上

間の唯一の信頼できる情報源は、これらのシステムの間の時間がかかる相互チェックを無くすことを通じて機能面の改善を生み出します。 この医療機器製造業者は、製造に関する新たなデジタルソリューションを活用して能率の向上とコスト節減に優先的に取り組むことができ、よって生産性と士気を高めます。

結 論

得られた正しいソリューションを活用することにより、費用の低減、能率の向上および製品上市の早期化という“製造の3ポイントシュート”を成功させることができます。大切なことは、あなた自身が何を達成したいのかを十分理解したうえであなたの目標を達成するのを支援してくれるチームと協働することです。自分が望むものは何をかを知ってはいるが、それがまだ市場に登場していない場合でも、独創的なソリューションに敢えて取り組むのを恐れないグループと協働したらよいでしょう- そうしたとしても、決してマイナスにはなりませんから。


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Edwin Chungは、SPK and Associates社における現在の職務の中で、アークテクチャー、インプリメンテーション、プロセスリエンジニアリングおよびMCAD/EEアプリケーションのための継続的支援を提供する、アプリケーションエンジニアのチームの管理に責任を負っています。米国食品医薬品局(FDA)の規制および適正基準(GxP)に基づく品質システムに関するEdwinの知識は、機械学習およびデータエンジニアリングのためのPythonの使用経験と相俟って、レガシーシステムの自動化の革新、クラウドまたはIoT 製品の統合およびエンジニアリング効率の向上を可能にしています。彼は、他分野にまたがる事業上の問題を解決するアーキテクト・ソリューションに対し、Biomedical, Electrical and Computer Engineeringにおける複数の理学修士号(M.S)と理学士号(B.S.)を申請中です。20年の経験を有するEdwinは、顧客の満足と品質といった領域を中心に優れた業績を挙げるべく努めています。