医薬品会社は、品質データにとりわけ注意を集中すべきです。このことは、消費者に商品を迅速に届け市場の需要に応えられるようにしながら安全で効果的な薬剤を開発するための鍵となります。米国食品医薬品局(FDA)は、データインテグリティが薬剤承認プロセスにとって益々重要となることをすでに示唆しています。こうした示唆を契機として、医薬品業界は、データを記録/管理する医薬品会社の能力を改善するのに繋がり、医薬品会社が薬事規制を効率的に遵守するのを可能にするデジタルツールを医薬品の品質管理システム(QMS)に含めなければなりません。
この数年間にわたって、医薬品業界における品質は大いに注目を集めてきており、最新かつ正確なデータの重要性が明らかになってきました。医薬品業界内で新型コロナウイルス(COVID-19)に対するワクチンの開発/販売が競われた中で、当時のFDA長官であったStephen Hahn(M.D.)は、新製品の開発と迅速な承認がデータインテグリティに懸っている点を強調しました。*¹
Hahnは、「データが確実に入手できその質の高さが確保されていれば、高度の科学的ポテンシャルをより高め、新たな治療法と医療的な手だての開発をより強力にサポートし、FDAが係わる製品に関する患者と消費者の知識(それをもって患者と消費者は当該製品の提供を受けるかどうかを決める)を増やすことが可能になります」と語り、「新製品の速やかな承認を我々が熱心にサポートするのと同時に、我々はデータおよびプロセス自体の完全性に基づいて確実に承認を進めてゆくことを強調しておくことも重要です」と述べています。
ごく最近、FDAの長官代行であるJanet Woodcock(M.D.)はFDAの2021年品質シンポジウムで講演し、Hahnを支持するメッセージをもってその講演を締め括りました。彼女は、医薬品会社におけるデータインテグリティが極めて重要であるという見解をFDAが強調した点を改めて確認したのです。
彼女は、「製造を強化し医薬品の品質を向上させるための私たちの取り組みに関して触れておきたい最後の要点があります。それは、これらの素晴らしい規制ツールのすべてと有望な新技術が、FDAの業務の中核的要素-“FDAの決定を伝えるため、利用可能な最善の科学と最も厳格なデータを適用するのに意を注ぐこと”-により支えられている点です」と語っています。*²
医薬品会社が適正なQMSを保有することにより、FDAの先導に従いデータインテグリティを最優先事項にすることと、データインテグリティに瑕疵がある旨を証したFDAからの警告状を回避することが可能になります。FDAの所見には、とりわけ、データの削除や操作、正当な理由の無いサンプル分析の中止、データの破壊または紛失、業務を同時に文書化していないこと、文書化が制御されていないことなどが含まれます。*³ デジタル方式によるQMSプラットフォームを使えば、FDAの警告状を結果的に受けかねないようなミスが簡単に避けられ、医薬品会社におけるデータインテグリティが確保されます:
デジタル化は、データインテグリティが維持され、FDA規制の遵守に必要な情報が常に完全かつ最新で入手可能な状態に保たれるための鍵となります。データに対する規制当局の要請に応えるためのヒントをつかんでください。本年(2022年)の医薬品産業の動向を決定する、業界の品質保証に係わるその他のトレンドを洞察した、「医薬品産業にとっての新たな必須事項:品質面の柔軟性(The New Pharma Imperative: Quality Flexibility)」をダウンロードしてください。